佐渡・能登・黒部の旅 その1(出発〜佐渡編)

07/31 - 08/01 旅の始め〜佐渡
 今まで、旅というと早朝出発が基本だった。なるべく早い時間に、混まないうちに移動が鉄則。4時出発で出雲まで700km走ったこともあったっけ。去年から札幌に戻ってきたので、旅のスタートはフェリーになった。小樽から10:30発の便なら9時までに受付するので、札幌を出るのは7時半ごろだ。これは楽。

 荷物を前日に積み込み、用意も万端。セブンを手に入れたのが2002年なので、今年で記念すべき10年目。最初の旅から通算10回目のロングランになるかな?

今回はツイッターで呟きながら行ったので、その時のツイートも引用しながら書いて行きたいと思います。四角く囲ったところが、その時のつぶやきです。つぶやきでの下線のあるURLは写真へのリンクです。そちらもご覧ください。
 出港の時はあらかじめQRコードのシートを印刷しておけば乗船手続きは不要。楽チンだ。セイコーマートで食料を買い出して車列に並ぶ。車高が低い組でインテのタイプS、ビートが並んでいた。牛さんトラックの隣に車を止めると客室に荷物を置き、速攻で酒を買う。ツイッターでそのことを書いたら沖野さんに「早いぞ!」と突っ込まれた(^_^;)。

 しかし、旅と酒とは切り離してはいけないという三二先生の教えを守り、タップリとアルコール燃料を摂取。飲む、ガイドブックを読む、飲む、外をみる、ガイドブックを読む、寝る、飲む、という繰り返しで船の中を過ごした。


目が怖い。ジェットストリームアタック的な。
 次の日、5時半ごろにエンジン音で目が覚める。旅モードになると不思議と朝が早くなるものだ。あれだけ飲んだ酒だったが、ちゃんと寝てたら抜けるものだ。目覚めもスッキリ、支度を整えて車両甲板に向かう。接岸が近づくにつれ、ゴウンゴウンとエンジン音が大きくなる。こちらもエンジンをかけるとぶるんと震えてセブンが目を覚ます。

 前の方が明るくなる。出口が空いたのがわかる。甲板のデコボコでセブンが目を覚ますキコキコと軋みをあげながら、船から出て行く。嬉しいことに快晴だ。暑さにあてられないように気をつけないと。

 新潟港についたのが6時ごろ。そのまますぐに佐渡汽船のフェリーターミナルに向かう。最初の目的地は佐渡だ。佐渡汽船の船はさすがに新日本海フェリーの船よりは小さいが、その分車の積載は早い。登場の時刻になったらあっという間に乗船も終わり、出発となった。


 新潟港から佐渡までは2時間半。9時半発の船なので、到着は12時だ。ピーカンの天気にちょっとげんなり。しかし途中でジェットフォイルとすれ違ったのは楽しかった。水中翼船の名の通り、飛ぶように高速で走って行く姿は見事なものだった。


 何事もなく両津到着。暑いは暑いが湿度がないので、日陰にはいると涼しい。飯を食べようと思ってガイドブックをみながら海鮮のお店を探したのにどうも見当たらない。もういい!と思ってそのまま直進。とりあえず眺望の良さそうなトンデン山へと舵を向けた。途中からどんどん道が狭くなってくるが、ぐいぐい曲がる道が面白い。九十九折のカーブを曲がるたびに高度をあげて行き、ぐんぐん山の頂上へと向かう。山頂には山荘があり、休憩ができる場所がある。眺望は思ったとおり最高。今きたばかりの両津港が一望でき、加茂湖もその形をはっきりと望むことができた。山荘で黒ごまソフトを食べ、昼飯の代わりに。





 ここからはひたすら北上だ。内海府から弾埼へとむかう。漁村を抜けるように走り、アップダウンを繰り返しながら北へ向かう。ビックリするほど車が少ない。追い越した車は片手ほど。すれ違った車も両手で数えられるくらいしかいない。人、いないなあ。北に行くほど道も狭くなっていく。
 弾埼につくが、岬のとったんに行く道がわからずちょっと迷った。キャンプ場みたいなところの中を通り、展望台に向かうのだが、ついてみたらちょっとがっかり。まあ行かなくてもいいかなあぐらいの岬だった。
 すぐに二ツ亀海水浴場へむかう。すぐ隣接するぐらい近い場所にあるが、こっちはとてもよかった。断崖を降りるようにして二つ亀に向かうと、看板が…ウラジオストク769kmって書いてある(笑)。北海道557kmってあるけど、北海道のどこよ。えらいざっくりした表示だなあ。さらに断崖を降りて行って海水浴場へと向かう。遠くからみてもでかかったが、近くで二つ亀を見るともっとデカイ。



ウラジオストクって……

近くで見るとでかい。
 二つ亀は大岩が二匹の亀のように見えるから名付けられたのだが、見た目上一匹しか見えない。大岩の向こう側にもう一つの亀さんがいるのを別な場所から確認できる。しかしこの大岩がを目の前に泳いだら気持ちいいだろうなあ。ここに海水浴のためにくるというのも、よい選択肢かも。一人で海水浴はしないけど、横をみると遠くにもう一つの大岩、大野亀が見える。これからそこに行くのだ。

 ひーひー言いながらもう一度がけを登り、次は大野亀に向かう。ここもすぐの場所だ。車を走らせながら体を冷却する。歩いている時は最悪に暑いが、車で走るとちょうど良く冷却できる感じだ。日陰なら涼しいので、ビキニトップを張ってしまえば暑さはしのげる。
 大野亀に到着すると、その岩肌に登り口が見える。大きさは167mと大きくはないが、大きくないゆえにほぼ直登ルートだ。登り始めると砂地に足を取られてなかなか登りにくい。成人男子なら気をつけて登ろうぐらいだが、小学生のお子さんがいるなら登らせたくない感じ。息切れしながら登ってみたら、周りに高いものがないせいで167mという言葉以上に高く感じる。佐渡島の断崖に囲まれた感じがよくわかる。そして海辺の低い道がある一方、断崖の上に田んぼが広がっているのも不思議な光景だ。






 一息ついて下山。足場が悪いので登るより下る方がヒヤヒヤする。景色は最高だけど、景色に気を取られて転んでしまった。危ない危ない。下手したら崖下だ。下までおりてきたら、シャツが汗で水浸し。流石に北海道では体験できない種類の暑さだ。



 ちょっと暑さに朦朧としつつ、今日の宿泊地の尖閣湾にむかう。佐渡ベルメールYHがある場所だ。大野亀から30分ほど車を走らせると尖閣湾に到着する。尖閣湾は展望台と水中透視船があるのだが、残念ながら船は最後の便が5時だったのでもう最終便が出ていた。あと10分だったのだが…実に残念。とはいえ園地内は見学できるので、そこの展望台から奇勝尖閣湾を望んだ。そそり立つ岩が三方五湖にも似た感じ。なかなかの風景に十分満足しつつ、ふとみると水族館と資料館があった。水族館は手作り感あふれるつくり。イカの遊泳が見られるのはここだけらしいが、そんなに喜んでみたいというものでもない感じだ。水族館というのも微妙な、なんとも言えない不思議な感じ。そして帰り際に気がついたのだが、顔だし看板がいくつかある。かつてロケ地になったという「君の名は」の看板の横に、離島戦隊サドガシマンとある。よくよくみたらメンバーがヤバイ。シマナガシブルー、トキレッド、ザクザクゴールド、そして敵らしいズルガシマン…自虐ネタもここまでくるとなかなか清々しい。ひとしきり笑って、人のいない園地をあとにして宿泊の場所へと向かう。










 佐渡ベルメールYHにつき、荷物の準備をしていると見知らぬ番号から電話が…とるとYHからだった。「いまどこにいますか」って「駐車場です」と言ったら笑ってた。
 ベルメールYHはアットホームで素敵な場所だった。元気のいいおばあちゃんが切りもりしていて、YHはこうじゃなくちゃねという感じだ。ちょうど人も少なかったらしく、個室で一人。部屋に荷物を広げて適当に過ごす。ご飯もとても美味しかった。ちょうど食べ終わる頃に夕日が見頃だった。日本海に沈む太陽を橋からみながら過ごした。振り返ると山の上から月が。YHと重なるように大きな月が綺麗だった。

 風呂に入り、ビールを飲むと体が疲れているのがわかる。今日の走行距離はおよそ200km。ま、疲れるわね。スタート時が44270kmくらいだったので、今回のたびではどの位走ることだろう。年々移動距離は短くなっているのだけど。