佐渡・能登・黒部の旅 その2(佐渡めぐり編)

8/2 佐渡国仲平野

 朝起きると下半身が盛大に筋肉痛。おそらくは大野亀に登ったのがきいたのだろう。「下半身のどこが筋肉痛?」と聞かれたら「下半身!」と元気良く返事ができるぐらい腰から下すべてが痛い。

 もそもそと起きて外をみるとこれまた雲一つない快晴。今日も暑いんだろうなあ。のそのそと散らかした服を片付け、今日の旅支度を整えてから下に降りると食事の支度ができていた。のんびり食事をしてから出発。YHのおばちゃんがニコニコしながらセブンを見送ってくれた。今日は国仲平野を走り回る予定だ。

その1 佐渡金山

 まずは今日の目玉とも言える佐渡金山へ。YHからすぐ近くなので、10分ほど走ったぐらいでついてしまう。僕の到着と同時に、子供達の集団もやってきた。どっかの林間学校かな?と思いつつチケットを買っていると、子供たちはさっさと進んで行ってしまった。だいたい子供の移動速度は早い。のんびりみていたら会うこともないだろう。
 入り口は二つに別れていて、宗太夫坑と道遊坑の二つのコースがある。まずは江戸期に掘られていたという宗太夫坑に向かう。階段をおり、トンネルに入って行くと、ふっと冷たい空気に包まれる。洞窟とかの特有の空気だ。中を歩くと人形が当時の作業風景で展示してある。時折動いてみたりしゃべってみたりする。…この風景ってどこかでみた感じがするなあ。そうだ、日光に移動教師に行った時に足尾銅山に行ったけど、そのときとよく似てるんだ。同じ鉱山なんだから同じといえば同じだけど。

人形がリアルで怖い。


祭りというか儀式というか。金が見つかるように祈ったらしい。
 宗太夫坑を抜けると土産物屋になっているのも足尾銅山と同じだ。子供たちがわいわいと土産物を物色している。どこの子供たちもやることは同じだ。店の人との会話を聞いていたら、どうもこの子たち、北海道からきたという。…え、北海道?引率の人に声をかけてみたら、メロンで有名な月形町の教育委員会のようだ。どうも佐渡に月形地区というのがあって、そことの交流事業の一環で5、6年生を連れてきているらしい。面白いなあ。


美しい庭園。歴史を感じさせる。
 子供たちはこれでおしまいらしいが、こちらは道遊坑コースに向かう。道遊坑は明治期以後に掘られた坑道のコースだ。中に入ると宗太夫コースのときとは違って人形もないし非常にそっけない感じ。もうちょっと整備すればいいのにと思ってしまった。驚いたのが佐渡金山は平成元年まで採掘が行われていたということだった。平成って、自分が高校生の頃は佐渡金山はで金を掘っていたってことか!ちょっと驚きだった。




 坑道を抜けると道遊の割戸に向かう。道遊の割戸とは、鉱脈が地表に露出しているところを掘り進んで行ったら、山を二つに割ってしまったというところだ。その山の下にはガッツリと穴が開けられてて、掘った鉱石はそのまま地下の坑道に落として運搬したらしい。つまり割戸の下まで坑道もきていたってことだ。金を求める人の欲望というか根性というか…すごいなあと思う。



 機械の置いてある資料館を通り、最後に土産物屋を通り、佐渡金山の見学はおしまい。だいたい2時間くらいあれば十分に見て回れる感じかな?


その2・大佐渡スカイライン
 金山を出て、山を上がるように走ればそのまま大佐渡スカイラインだ。時折道の狭いところもあるが、おおむね舗装状態も良好。なにより車がほとんど走らないので、非常に気持ちよく走れる。カーナビと連携して走れば、カーブの曲率も予測できるので、一人ラリー状態。タービンをキュンキュン言わせながら走って気持ちが良かった。
 走っていると、山頂付近で突然現れる不思議な建物。見るからにレーダーな建物。調べてみたら防衛相の施設らしい。大佐渡スカイラインも、防衛相の管轄の道路を民間でも使わせてもらっているという感じらしい。途中、ここは入れませんという分岐もあったりして、確かに佐渡はロシア中国との境目であることをちょっと意識した瞬間だった。

 展望台から見える景色は天下一品。また天気が良くて、国仲平野が遠くまで一望できた。上から見ると田んぼが一面に広がっていて、稲作が行われているのがよくわかる。白望台のセンターから国仲平野に降りる方面は舗装がコンクリート敷きになっていて、斜面もちょっと急。道としての面白さは金山〜白望台あたりのほうがいい感じだった。



頂上のドライブインで売っていた牛乳のパッケージが朱鷺(^_^)。

その3・トキの森公園
 佐渡にきたからにはトキを見なきゃいかんだろう、ということでトキの森公園へと向かう。道が狭くてわかりにくいが、そこはカーナビに働いてもらってこっちは楽して走った。昔は地図をみるのも楽しみのうちだったんだが、iPhoneでカーナビアプリをいれたらそれに頼りっきりになってしまった。

北海道にはない、水田の広がる田舎道
 で、トキの森公園にたどり着いたのだが…確かにトキに会えたのだが…遠くからちょびっと見えるだけ。トキの自然孵化で7匹生まれたというのがかなりのニュースだったようだが、観光地として見るとすごく面白いというわけでもない。観光地じゃないのかもしれないけど。でもトキを見ないのもなんなので、とりあえずトキを見れてよかった。

その4・本間家能舞台&牛尾神社
 本間家能舞台は地下に瓶を埋めたりして音響にまでこだわった能舞らしいが、一般向けにオープンしているわけではないので見れず。すぐ近くの牛尾神社はちゃんと能舞台が見られた。古い地域の神社は佇まいがいい。佐渡も古い地域なので、古刹の雰囲気が何とも言えない歴史の重みを感じさせる。観光地然としているわけではないが、ここは個人的にオススメの場所だ。

本間家能舞台。能が演じられるときでないと開かないらしいのが残念。イカの写真は牛尾神社。ちょっと見えにくい所にあるので、道から見落とさないようにしなくてはいけない。


見事な彫刻


神社内に能舞台がある


その5・寺巡りツアー
 ここからはひたすら寺巡り。あっちの寺、こっちの寺と飛び回った。
・根本寺
 1278年に日蓮上人が佐渡に流されてきた時にいたところらしい。お堂の中に団扇太鼓が置いてあって、「お参りの際にお使いください」と書いてあった。三つ太鼓でお参りしようかと思ったが、「他宗派の方は使わないでください」と書いてあったからやめた。残念。




清水寺
 「きよみずでら」ではなく、「せいすいじ」と読む。ここは根本寺よりももっと古くて808年というから驚きだった。仏教の普及にきた法師が清水寺を模して建立したということで、ミニ清水の舞台とでもいうべき形になっている。ちゃんと管理しているのかなあ。かなりあばら家な感じになっていて、ちょっと舞台の上に乗っかってもギシギシいって怖かった。







長谷寺
 これも「はせでら」ではなく「ちょうこくじ」と読む。清水寺(せいすいじ)と同じく、奈良の長谷寺の伽藍を模して作られているらしい。確かに本殿や奥の院に行くためにはひたすら階段を登らなくてはいけない。花がそこかしこに咲いていて、美しい寺だった。ここも建立807年というとんでもない古い寺だった。




・妙宣寺(五重塔
 見事な五重塔をもつ寺。日光東照宮五重塔を模したものらしい。道路沿いからも五重塔が見えるので、駐車する場所を考えるてセブンも一緒に写してみた。





その6・尾畑酒造
 佐渡に点在する造り酒屋は酒造見学もできるところがある。尾畑酒造もその代表的なところだ。貴人が流刑にあってきたことで文化的にもレベルが高くて、稲作や酒造りも古くから行われていたらしい。尾畑酒造の真野鶴はエールフランスの機内酒としても採用されているということだ。試飲もたくさんできるので、酒好きにはおすすめだ。んが、自分がドライバーなので試飲することあたわず残念。仕方ないので実家に蔵元限定の吟醸酒を送っておいて、あとで飲むことにする。



 あちこち回っていたらご飯を食べる余裕もなかったので、尾畑酒造で聞いて近くの回転寿司で食事。ブリ、アワビなどいくつか、その日のオススメでちょっと高いのを食べてみた。値段の割になかなかうまし。

その7・真野御陵
 佐渡に流されてきた順徳上皇が都に帰れず、火葬された御陵。

その8・佐渡歴史伝説館
 真野御陵のそばにある歴史や伝承を解説してくれる面白ミュージアム。ロボットがカクカク動いていろいろ解説してくれる。何とも言えず微妙な空気が流れて面白い。


 ひたすら走りまくって戻ってきたら18時半。8時前に宿を出たことを考えると、10時間ぐらいは走っていた感じだ。走行距離は100kmちょっと。昨日は200kmだったから、走った距離そのものは短いけどね。体力的なことを考えると、観光の日は100km以下に抑えたいところだ。
 帰ったらすぐ晩御飯だった。綺麗な夕日をみながら晩御飯を食べる。気がつくとアワビがあるじゃないか。ユースの晩御飯でアワビが!ちょっと感動。

 そしてものすごく夕日が美しい。いまにも沈むという時には食事を中断して、カメラを抱えて写真を撮りまくった。ちょうど部屋から綺麗に海が見えて、大きな橋がかかっているのでちょうどいい景観なのだ。




 この日はさすがに疲れたのか、ビール2本で撃沈。フラフラで寝床に潜り込んであっという間に寝てしまった。