宇宙のみなしご

宇宙のみなしご (フォア文庫)

　ギター教室の待合室で、古い本がいくつかおいてある。以前は女の子向けのジュニア百科のような本で、「ボーイフレンドとのつきあい方」みたいな本がおいてあった。出版は昭和の時代でかなり古い本だったのだが、男の子の心理や、キスの心構えのようなことが書いてあって、目茶苦茶おもしろかったのだが、いつの間にかなくなっていた。
　そんな中、森絵都の「宇宙のみなしご」がおいてあった。森絵都というと「ＤＩＶＥ！」を以前読んだことがある。「ＤＩＶＥ！」は少年まんがのような「努力・友情・勝利」な物語だったが、「宇宙のみなしご」はそれとは違い、全体静かに落ち着いた雰囲気で話が進んでいく。丁寧で地道な描写が「屋根にのぼって遊ぶ」主人公達を生き生きとさせている。ジュブナイルらしいあっさりさわやかな描写は物足りないという人もいるかも知れないが、淡々と進んでいく物語は僕としては好みだった。
　そういや、ギターの待合室で借りてからそのまんまだ。返してこなきゃ。参考までに「ＤＩＶＥ！」も貼っとく。

DIVE!! 上 (角川文庫)