立川マラソン

 朝起きたらすごい風雨でビビった。今日は立川マラソンの日なのに。前任校の教え子が毎年走っているのだが、今年は初めて走る6年生がいるのだ。その子のためにも晴れてほしいと思う。天気予報によると、昼から晴れるらしい。心なしか空も明るくなってきている。スタートは12時だ。祈るような気持ちで家を出た。
 久しぶりに中央線に乗り、青梅線で西立川に向かう。なんとまあ、西立川で降りる前に日が差してきた。よかった!駅からスタート地点まで歩いて10分ぐらいだ。ちょうどスタートの時間に間に合うように到着した。スタートにかたまっているのは中学生だ。昨年卒業した二人がもうすでにスタンバイしている。二人とも出場は5回目、3回目ともう慣れたものだ。出発前の緊張を楽しみながら、3kmを8分台で走りたいと意気込んでいた。
 その後ろにスタート時間をずらして出走する5/6年生の集団がある。その集団の最後尾に、6年生の女の子がいた。僕の姿を見ると、恥ずかしそうな顔をして「べし」とかいいながらぶったりしてきた。初めてのことに緊張しているのが、よくわかる。ついでに伴走のお母さんも緊張している(^_^)。
 前の方で中学生組がスタートする。15分遅れて、小学生組がスタート。その子もピコピコ動きながら走っていった。ゴールのところに急いで向かうと、さすがに中学生組はすでにゴールしていた。それぞれ8分と9分でゴールしていた。結局その6年生の女の子がゴールしたのは35分後。3kmに35分(^_^)。でもゴールしたことがすごく嬉しかった。
 3年生の時から一緒だったその子はマラソンも大嫌いで、いつも泣きながらしゃがみ込んで走ろうとしなかった。その子が自分で走りきったのだから。3年かけてやっと10までの数を理解できるようになったり、泣きながら掃除したり。殴り書きしかできなかったのが、担任が黄色いペンで書いた字をなぞり書きができるようになってきたりした。この子とずっと一緒にいたことで、積み重ねこそが人を成長させることを教えてもらった。だから、たった3kmだけど、35分もかかったけど、この子にとっては大事な一日だったと思う。ゴールした姿を見て、本当に嬉しかった。
 晴れてよかった。本当にいい一日だった。帰り道、木蓮の花がきれいだった。