おならの話

 どうもおならが最近出やすいような気もする。昨日も本屋で無性におならがしたくなり、誰も居ないことを確認してしゅっと出し、足早にその場を離れたりもした。そういえば以前、特別支援学級にいた頃、調理実習中に無性におならがしたくなった事があった。ちょうど一人、六年生の姿が見えなくて、廊下に出て「Nくーん」と呼びながらブリッとおならをした。実際にはブリリリリリッと長かったのだが。ホッとして家庭科室に戻ろうとして振り返ると、そこに六年生の女の子が。その子も無言だったが、僕と目を合わさないようにしていたから、尻から発生する異音を確かに聞いたのだろう。授業中なのになぜこんなところにいるのかわからず、僕は混乱したまま家庭科室に戻った。次の日の給食時間、子どもを連れて六年生の教室に交流給食に行くと、入った班にその女の子がいるではないか。モソモソとメシを食べながら「昨日のことは、内緒だ」といったところ、その隣の子が「分かりました」と頷いた。どうもすでに内緒にはできなかったようだと残念に思ったことを、今でもしっかりと覚えている。