こえのちから

 シンポジウムの後、yoと食事をしながらだらだらとおしゃべりをした。お互いの近況、それぞれの学年の実践の情報交換など、楽しい時間を過ごした。それから別れて僕は代々木へ。うちの学年で学級補助員をしていた人が声楽をやっていて、コンサートがあるというのを聞いていたのだ。
 駅で小さな花を買い、会場に向かうとまだ開場前だった。その場でちらりと補助員のお姉さんが見えた。よかった、あまりに小さい会場だったから場所を間違ったかと思った。
 コンサートは芸大や音大の学生や卒業生などの若い人があつまって開催しているようだ。会場は小さいながらも溌剌とした若い力を感じることができる。なかでも芸大の男の子の歌う「アヴェ・マリア」はとても情緒があって素敵だった。
 補助員のお姉さんは、細い感じの人なのに声が出るとびっくりするぐらい響く。人間の声は、適切に訓練するとこれほど大きく出せるということが驚きだ。声で得る感動というのは、楽器による演奏を聴いた感動とはまた違う。道具によらない人体の機能だけでこれほどの声が出るということがやはりいいのだ。
 声楽のコンサートというのが初めてだったので、面白く過ごした、が、知ってる人の出番でない時はちょっと寝たこともあった(だって朝早起きで疲れてたんだもん)。