懐かしき大学

yuhji2008-03-02

 昨日、マイミクのyoからメッセージが届いた。「明日○郷先生の最終講義だよ」ガーン!明日かよ!とまあ、そんなわけで最終講義に行ってみることに。昼頃に家を出て、久しぶりに大学に足を踏み入れた。基本的な風景は変わらないものの、講義棟のたぐいはすっかり新しくなってしまっている。昔は1〜5号館と呼ばれていた建物が、N棟・S棟などとぴかぴかの建物に変身していた。退官講義の行われるW棟は……と探して見ると、なんのことはない、旧5号館がそのまま名前を変えてW棟になっていた。この511教室は、憲法の授業をやったのを覚えている。やった内容を一つだけ覚えている。尊属殺重罰規定だ。どーでもいいことをよく覚えているなあ俺。
 1時から最終講義が始まった。フズリナと紡錘虫、コノドントによる日本の地誌の変遷を概論としてまとめていた。学生の当時にこんなこと聞いていたっけ?コノドントの意義とか、日本の地誌とか、聞いた覚えがないぞ。>てかちゃんと授業を受けろよかつての俺。尊属殺重罰規定とか覚えていても自分の専門が分かっていないじゃないか。多少情けない気持ちで小一時間「そーだったのか」とうなずきながら授業を聞いた。
 この先生で覚えているのはむしろカメラだ。ライカマニアで、研究室にはケースが置いてあって、M3のボディとかマニア垂涎のレンズがごろごろしていた。ローライフレックスとかもおいてあって、学生の頃「この人は何をやっているんだ」と思っていたのを覚えている。なぜ大学に置いてあるかというと、奥さんに内緒で買ってしまうので、家に持って帰ると怒られるからだといっていた。
 自分がカメラを弄り始めてみて、先生のレンズコレクションを思い出すと腰が抜ける。ズミルックス、ズマロン、ズミクロン、エルマー、エルマリート、ホロゴン、さらにボディもM3,M4と数台……あんた、いくらつぎ込んでんだよと突っ込みたくなるものばかりだ。城ケ島の実習に行った時は、学生の相手もそこそこにローライで写真を撮っていたっけ。骨董や刀とかも好きで、自宅で電気カーペットに脇差しを落として壊してしまい、奥さんに怒られるからって同じものを買って来て、壊れたものを押し入れに突っ込んでいたのを見つかって怒られたらしい。おっさん……。
 始まる前に話をしてみたら、どうも今僕のいるT区出身だったらしく、B小学校が新設された時の一期生だったらしい。驚き。あと、卒論の時に世話になった院生の人も来ていて、ちょっと話を聞いたら練馬の指導室にいるらしい。それも驚き。大学を出てもう10年も経つんだもんナア。いろいろ変わるよ。5号館のぼろぼろの壁だけが変わらずにいて、ノスタルジーを感じさせた。
 写真は大学に咲いていた梅の花