卒業式

 一昨日は現任校、昨日は前任校の卒業式だった。日付がずれていると、両方出ることができて助かる。
 現任校の卒業式は、とにかく緊張する。受け持ちが障害を持った子達なので、どんなトラブルが発生するのか予想できないからだ。今回は落ち着いた子たちで、最後まで過ごすことができたので安心した。本当に立派な卒業の姿だった。ほんの何人かしかいない子どもがいなくなるから、やはり寂しい。学級を方向づけるようないいキャラクターの持ち主が出るので、学級の雰囲気がまた変わるだろうなあ、と思う。
 ある子が式の途中おならして、小声で「ご、ごめんなさい、おならしちゃいました」とか言い出した時はビックリしたが、その子のすごい緊張感が伝わってきた。普段は周りの様子や人の事に関わりなく過ごしてしまう彼が、「その場の雰囲気に緊張していること」そのものが成長として感じられて、なんだか嬉しかった。
 前任校の卒業式は、今の学校の子ども達を帰した後で急いで向かったので最所からは見られなかった。入っていったらちょうど門出の言葉の歌を歌っている所だった。音楽の先生のセンスがよくて、選曲がすごくいい。「今、別れの時。飛び立とう、未来信じて。弾む若い力信じて、この広い、この広い、大空に」と、5年生と6年生の掛け合いで歌うこのフレーズが、本当に大きな声で響いて素晴らしかった。
(ちなみに前任校の体育館は、天井が低くてスポーツには適さないが、音響はとてもよかった。中央で手を叩くと全体に音がふわっと反響して響き渡っていく。いわゆる日光にある「鳴き竜」に近い現象が起こる)
 卒業式はやはりいい。子どもたちが未来に向かう門出の日にたちあうことができるのがうれしいのだ。前任校の子で、新幹線の運転手になりたい、という子がいる。小学校一年生のころからの夢で、僕がもった四年生の時も、もちろん夢は新幹線の運転手。これだけずっと同じ夢を持てるのが正直うらやましくもある。「新幹線の運転手になったら、先生を招待してくれ」と言っておいた。いつか彼の運転する新幹線に乗って、旅がしたいと思う。