御会式その後

yuhji2006-10-19

 昨日、一昨日と太鼓をたたき、御会式が終わった。それにしてもキョーレツな祭りだった。衣装を貸してくださったOさんが「カーニバルですから」と言っていたのがよくわかった(^_^;)。池袋駅の南側、ジュンクの当たりから列が始まり、いろいろな講が万灯を連ね、並んでいる。僕の参加した雑二講はなんと一番最後で、駅前の道を曲がってずっと進んだところに雑二講の万灯があった。7時半頃だっただろうか、列がスタートする。三つ太鼓のリズムが響き、太鼓の前では纏いを振る若者たちが舞っている。
 このリズムがまた心地いい。ダダン、ダダン、ダダダン、ダッダンダダン、ダダダン、と文字にしてもちっともわからないが、これが表太鼓。それに裏太鼓のリズムを重ねて、延々とたたき続けるのだ。そうする過程を通じて、だんだんハイになってくる。時折ギャラリーの多いところになると、リズムが早くなったりして、それまでのんびりたたいていた面々が突如ヒートアップして熱を帯びる。太鼓の叩き手にもよって、不思議なくらいこちらの太鼓のたたきやすさが違う。Oさんの太鼓は遠くまでよく聞こえて、リズムを外さないからたたきやすい。妙にまわりのリズムがずれたり、音が聞こえなくなったりすると、別な人に代わっていたりするのが不思議だ。やはり年期が違うか。
 始めは少なかったうちのクラスの子どもたちも、途中から合流し始めて列に混じり、太鼓をたたき始める。なぜか女の子の方が多い(後で聞いたら、ちゃんと中に入ってたたいていた男子はたった二人だったらしい)。途中で男の子を見つけたので、「よくきた、列に入ってたたこう」と言ったら、僕の顔を見た途端に母親の後ろに隠れやがった。どうも祭りセットはフルセットそろっているらしいが、恥ずかしくて参加できないらしい。まったく、うちの男どもはそんなのばっかりだ、ふがいない(^_^;)。来年は全員どっかの講に放り込んでやるから覚悟しろ。
 そんなこんなで列が鬼子母神の参道に入ると、さらにリズムはヒートアップする。ここからがまた本番だ。万灯は激しく回され、揺れる。万灯の明かりと街の明かりが混じりあい、参道の人々の歓声と三つ太鼓が交じり合って盛大なハレの祝祭空間を作り上げるように感じた。そんななか太鼓をたたいていたOさんが獲物を太鼓から鐘に変えて僕のところに近づき、「先生、万灯持ってみます?」……いや、持ってはみたいけど、この場でそんなに大胆にはなれません、さすがに(^_^;)。
 そして最後には鬼子母神の境内に入り、さらにキチ○イのように三つ太鼓を鳴らしまくり、なだれ込むように鬼子母神にお参り。太鼓をドン、ドンドン、と鳴らしながら坊さんの声に合わせて「南妙法蓮華経、南妙法蓮華経」と唱える。最後に「ほーたるこい」と終わりのリズムを叩きながら去っていっておしまいになる。7時半頃からスタートして、最後の我々がすべて終わったのが11時過ぎ。子どもたちも半分眠りながら参加しているのもいたりする。ひどい夜更かしだが、今日だけは文句は言うまい。これはハレだからだ。
 帰り道、おばあちゃんと歩くOさんの娘(うちのクラスの子)も、さすがに足取りはゆっくりになる。しかし「お菓子をもらって帰るよ」の一言で、弾けるように駆け出していく。子どもは元気だ。さすがに今日は体育は見学していたが。
 それにしても面白い祭りだった。来年は衣装を借りるのではなく、自分で買おう。自分のいる学校の地域に、こんなに大きな祭りがあるのは初めてで、その祭りに参加できたことが本当に嬉しい。教員が「他所からきた外様の人」ではなく、地域の中にあって共に生きるようなやり方をしたいと思っていた中で、こんな素敵な祭りがあるというのは本当にラッキーだった。縁は奇しきものだなあ、と思う。特に希望していなかった豊島区に決まった時は、池袋から歩いて10分という学校に不安でもあった。でもさまざまな出会いの中でこうして祭りの中に入り、子どもと一緒に太鼓をたたいているなんて不思議なものだ。どこかで一つでも歯車が違っていたら、御会式で太鼓をたたいている自分はいないのではないかと思う。ここまで縁を繋いでくれたのは鬼子母神か。それとも日蓮上人さまも知れない。今でも耳から三つ太鼓のリズムが離れない。また来年やるぞ〜。Oさん、誘っていただいて本当にありがとうございました。
 今日は見事に筋肉痛。プリントを左手に持って「これを見なさい」と言ったら手が震えていた。急いで右手に持ち替えたら、右手も震えていた。やれやれだ。写真は「かっこいいゆーじせんせい」です。子どもがそう言ったんだから間違いない。