お父さんはやってない

 有名な痴漢冤罪事件の記録本。とにかく恐ろしい。警察がいかに適当な証拠だけで捜査を進めようとしているのかが分かる。99%の有罪率というのは、警察がまず有罪ありきで物事を進めているのにほかならない。それにしても、電車の模型を作ったり、ビデオ撮影したりして証拠を作っていった周辺の人々の血のにじむような努力が、本当に涙なしには読めない。そこまでしないと痴漢冤罪が晴れないというのも恐ろしい(そこまで用意をしても一度有罪判決が出ているし……)。
 特にこのお父さんと僕とは利用している駅が同じだということも妙な親近感を覚え、事件への感情移入度が高かった。とにかく痴漢の容疑をかけられたら、あまりにも危険だということがよく分かる一冊だった。休みの日にアマゾンから届き、そのまま一気に読んでしまった。

お父さんはやってない

お父さんはやってない