そうだ、奈良に行こう2(7/28) 新潟豪雨〜オリオンビール編

 小樽〜新潟便は、朝の6時に新潟に到着する。そのため5時には一斉に電気がつき、アナウンスが流れ始めた。固い床で寝たので背中が痛い。やはり3000円足して2等寝台にしておくんだった……。そして外をのぞくと、昨日の天気予報通り雨。しかも土砂降りだ。


甲板にも激しく雨が降りしきる。

霞がかって視界は悪い。やめて、割とマジで。

 車両甲板に下りると、雨モードに準備。ゴアのレインコートに身を固め、助手席側にもドアを張る。多少の雨なら助手席側はトノカバーだけで通気性をよくしておく方が快適なのだが、ここまで土砂降りだと両方ドアを張らないと大変だ。両方ドア仕様で外を走るのは久しぶり。2005年に雨の中、東北を北上した旅以来じゃないだろうか。両方ドアを張ると困るのは、とにかく窓が曇るのだ。自分で拭きながら走る必要があってめんどくさい、というか危ない。
 船から下りる時、船員さんたちが苦笑いしていたのは気のせいだろうか。いや、あれは哀れみの表情か。船を下りてすぐ、コンビニに向けて走ったが、そこまでの短い距離でもひどい雨に平行した。視界が悪いので、とても集中していないと危ない。雨がやむまで待つという選択肢もあるのだが、雨の予報や天気図を見ていると、ここで一日泊まったとしてもやみそうにない。むしろ今ここで南下してしまわないとますます酷くなって足止めを食いそうなので、覚悟を決めて南下することにした。
 しかし一つだけ失敗したのはガムテープを持ってくるのを忘れたことだ。フロントスクリーンと幌の間の隙間をガムテープで埋めておかないと、走っているうちにそこから水が吹き込んでくるのだ。しかもぬれる前に張っておかないと意味がない。ぬれた状態で張っても、すぐにとれてしまうからだ。
 高速道路に入ってしまえば、むしろ一般道より楽。路面は整備されているし、信号も対向車も歩行者もない。速度制限がかかっているので、それに沿って走れば何と言うこともない……と思ったが、やや予想外のことがあった。世に言うゲリラ豪雨である。土砂降りの中にもゲリラ豪雨ゾーンがあって、そこに突入してしまうと全く前が見えない。数メートル前のセンターラインを頼りに走るしかない。50km/h規制を忠実に守り、ハザードを焚きながら慎重に運転した。
 後ろからバスやトラックのフォグランプが近づいてくるとこれまた心臓に悪い。「追い越して!」と叫びながら祈るしかない。幌の後ろのアクリルや、ドアのアクリルには外側に水滴がついているうえに内側は曇っている。「頑張ってミラーを睨めば、まあ何とか後ろに何かあるかわからなくもない」程度の視界しかない。ゲリラ豪雨ゾーンはそんなに長くなかったかもしれないが、精神的には1時間ぐらい走っていたような気分だった。


小千谷のパーキングで休憩。小降りになっていたが、この後もう一度ゲリラ豪雨に突入することになる。

 土砂降り&ゲリラ豪雨コンボという天からの楽しいプレゼント攻撃を受けながらも、セブンは何とかよたよた走り抜けた。足と右腕はびしょ濡れだが、ゴアのコートを着ているので中は乾いているし、それ以外の所も存外にぬれていない。狭くて暑いのさえ我慢できれば、セブンの旅もそんなに悪いものではない。
 赤城高原SAで給油をする頃には、もうすっかり雨はやんでいた。関東方面では降らないようなので、豪雨ゾーンはクリアしたと行ってよかろう(後に「走り抜ける」という判断は正解だったということがわかるのだが)。思いの外時間がかかってしまったが、昼前には東京に着けそうだと思ってこれからは快調に南下を続けた。
 最近はiPhoneのカーナビ頼みで、あまり地図を見て走らなくなってきた。カーナビでは関越から練馬でおり、川越街道を走って池袋に行くルートが出ていたのだが、これは失敗だった。川越街道激混み。晴れてきているのに幌&ドアを張って中にいる人間は長袖長ズボンの上にゴアのレインコート。これは死にますよ、お父さん(誰がお父さんだ)。コンビニも見つかる気配もなく、無理矢理脇道に入って見つけたコンビニに飛び込んだ。コンビニの駐車場に半そででアイスを食う中高生らしき男子生徒がいたが、セブンの中から蒸れ蒸れ汗だくで中年のオッサンが出てきのだから驚いただろうなあ。
 何はともあれ、昼前には池袋にある前の職場にたどり着いてあいさつできた。その時間は、プールで夏休みの水泳指導が行われていた。僕のついた時間は高学年タイム。そして高学年は5年6年ともに僕の教え子だ。「ちょっとプール行ってきます」と車の中からプールセットを出して(←用意がよすぎる)そそくさとプールに向かった。
 プールに行くと、チラリと僕の顔を見た子どもがビックリ。指導していた先生も僕の顔を見てニッコリしてくれた。「人手が足りないんですよね、用意があれば入りません?」とナイスパス。もちろん、といそいそと着替えてプールに向かった。北海道は夏のプール指導がないので、ちょっと寂しい。子どもと一緒にプールで指導し、遊び、放り投げ、楽しんできた。「投げてやろうか?」と聞いたらニヤニヤしながら「絶対投げないでね」……それは投げて下さいっていうことだよね。
 プールの後は職員室の後ろで久しぶりの先生立ちと歓談。北海道と東京の違いなどを話ながら盛り上がった。うれしいなあ。この学校も、雑司ヶ谷も、大好きだから、こうして歓迎してくれるのが何よりうれしい。お昼ご飯はよく買って食べていた350円弁当。時間が過ぎていたので種類が少ないが、その分オマケしてサラダもつけてくれた。
 学校に車を一日おかせてもらおうと思ったのだが、明日が6年生の林間学校出発の朝なので、朝に保護者も子どもも集まる場所にセブンが置いてあるのはまずいということだった。ゾウシガヤンにお願いしてみたら「すずめや」さんのご自宅の駐車場が開いているので使ってもよいというありがたいお言葉。取りあえず鍵を借りに「すずめや」に伺い、学校からすぐ隣の家までセブンを動かした。


超オシャレガレージ。セブンが収まると、これは「ガレージライフ」誌の表紙か?と見まごうばかり。隣のバイクはドカ。このドカ、マジでかっこいいなあ。

 車を動かし、再び学校へ。南門から入って校庭に行くと、昨年の担任した子たちと会った。「うわ、まっすー何でいるの?」と驚く。遊びに来たの、というとちょっとうれしそうに笑い、時間になるまで一緒にフリスビーをして遊んだ。ちがう学校に行っても、ちがう土地に来ても、こうして遊べる時間がまたできたというのは本当にうれしい。離れているだけに、なおさらね。
 さて、今日のメインイベントは実は夜。5年前に担任した保護者と一緒に新宿伊勢丹屋上のオリオンビールフェスタに行くのだ。あいにくちょっと雨模様だが、ひどくは降られないですんでよかった。S水さんが後から来て、みっちり話した。「すみません〜先生独り占めしちゃって〜」と言いつつ、話をやめる気配はない(^_^;)。思い出話に花が咲いた。


新宿伊勢丹屋上。ちょっと雨模様。

ソーキそばうまし。

オリオンもいろいろあるよ。

桔梗がきれいに咲いていた。都会とは思えぬオアシスぶり。

おにぎりいただきました。ごちそうさまです。

 さらにカッカさんや元章さんなどもやってきて、非常に楽しい時間。ひたすら飲み、ひたすら話し、ぐでんぐでんに酔っぱらう。気がつくと何人かいないし(^_^;)。電話したら「エスカレーターの傘なぁい。傘立てかけたんだけどぉ。傘ぁ」(よっちゃん談)など訳の分からない供述。困ったねえといいつつ副都心線雑司ヶ谷で下りたら、エスカレータの所に傘がかかっていた。これのことか!さらにそこから「ふくや」に行ったら、さっき別れた人から電話。30分程話すも、後から聞いたら全く覚えていないらしい。
 ずっと一緒につきあっていただいたぶんさんとここで別れ、西池のビジネスホテルへ。倒れるように寝る。ひたすら、濃い一日だった。ぶんさんありがとうございます。いっしょにふくやに行ったのに30分電話って俺(^_^;)。