そうだ、奈良へ行こう3(7/29) 立科押しかけ引率編

 朝、目を覚ます。6時過ぎだ。今日は大事な用事がある。まずは前任校に行って見送りだ。何の見送りかというと、低学年の頃担任した子どもたちが、今日から林間学校で立科に行くので、その見送りに行くのだ。荷物を整え、学校へ向かう。朝早いので流石に子どもたちはまだ来ていない。早くに出勤した先生たちに混じって何気なくその辺にいたのだが、副校長が僕を見て「またいるし」と苦笑い。許して下さい(^_^;)。


見送りに来る保護者の方々

 保護者の面々も勝手知ったるいつもの面子だ。「おああ、先生なんでいるんですか」と慌てる人もいれば、「や、ども」と涼しい顔の人も。先生のブログ見てますよ〜という人もいた。N田さん、見てる〜?(コラコラ)。そんなこんなで久しぶりの人とおしゃべりしつつ、出発式が終わり子どもたちがバスに向かう。今年は旅行会社が変わってはとバスだ。おなじみの黄色い観光バスに子どもたちが乗っているのは奇妙な感じだが、「いってきま〜す」と手を振る笑顔はいつもの林間学校の出発と同じ。今が一番楽しい瞬間と言えるだろう。そして僕もこれから子どもたちを追いかけたりするのだ。しかし、そんなに慌てる必要もないので、久しぶりに雑司ヶ谷を歩いてみた。こんなにじっくり歩いて町を見ることも今までなかったので、写真などを撮りつつ、その辺を散策してみた。途中で親やら子どもやらに会ったりするのはご愛敬(^_^;)。


酉の市などが行われる大鳥神社。新しい鳥居ができて気分も一新。


UFO公園。UFOの中に大人が入るには小さい。

雑司ヶ谷霊園漱石先生の墓所。でかい。

霊園の花屋さん。何だか風情があって好き。

雑司ヶ谷の名店、ターキー。

そしてここも外せない。アカマルベーカリーッ!ラスクがッ!!好きですッ!!!

宣教師感。マッケーレブさんの住居跡。素敵だ。



雑司ヶ谷には何ともいえない味わい深い路地が多い。

 その辺をぷらぷら歩きつつ、10時過ぎには暑くなってきたのでそろそろ出発しようかと考えた。すずめやさん自宅ガレージに戻り、旅支度を調える。天気は大丈夫そうだが、長距離を走るので幌を張り、風対策を整える。オープンカーというのはゆっくり走るとか、短時間乗る分にはいいのだが、長距離を高速道路で乗る場合において一番の敵は風だ。フロントスクリーンが巻き込んだ風を浴び続けるというのは、実は結構疲れるので、高速で長時間乗る場合には天気がよくても幌を張るのがよいのだ。


ドカいいなあ。

談合坂サービスエリアで。

 そして中央高速に乗り、諏訪までひたすら走る。車山は以前の学校の宿泊学習で使っていたので、よく知っている。下見も含めると6回は上り下りしている山だ。大学の頃は岐阜にフィールドがあったので、中央高速はよく使っていた。途中、サービスエリアで給油をしていると、隣のベンツのおじさんが「いいねえこれ、楽しそうだねえ!」と話しかけてきた。そういうことはよくあるし、僕もうれしいので相手をしていたのだが、その人どこかで見た気がする。……あ、この人鑑定団の中村誠之助だ! くだんの中村さん、どうもベンツのオイルの具合がよくないらしく、スタンドのお兄さんにオイル交換してくれと頼みつつ、その合間にセブンの所に来て「どこに行くんだ」「どこ製の車だ」としきりに質問してきた。その楽しげなしゃべり方といい、好奇心たっぷりの笑顔といい、まさしくテレビで見た鑑定団そのまま。「失礼ですけど、鑑定団に出てらっしゃる方ですよね」と聞いたら、「いやあ、この車鑑定団に出せば楽しいよ」と軽くはぐらかされてしまった。聞く方が無粋だったかな(^_^;)。旅の一つの思い出です。中村さん、ありがとうございました。
 高速を下りると、車山高原はそう遠くない。車山高原の道はビーナスラインといい、よく知られているドライブルートだ。何度も実地踏査に来ていて、ビーナスラインはいつかセブンで走ってみたい道だと思っていたので、こうして来ることができたのはちょっと感動。美ヶ原高原美術館の法まで行くと遠いので、ビーナスラインのさわりの部分を走って遊んできた。


白樺湖のほとりで。そう大きな湖ではないが、レジャー施設は豊富。


ビーナスライン。見晴らしのよい高原地帯をひた走る気持ちのよい道。

展望のよい場所もそこかしこにあり、白樺湖が一望できる。クリックするとオリジナルサイズの画像が見られます。


八島湿原。遠く、山の山頂に小さく車山の気象観測ドームが見える。白樺湖から八島湿原の辺りまでが景色としてとても楽しい辺りかなと思う。それより奥になるとうねうねとした道が続いたり、展望が今一だったりする。民家もないし、人に迷惑がかかりにくいので走り込むには楽しい道だとは思うけど(^_^;)。

 夕方になってきたので女神湖へと向かう。今日泊まるのは山一つ越した向こうにある女神湖のペンション村。実は子どもたちが泊まる場所でもある。近くにユースがあるので撮ろうと思ったのだが、団体が入っていたらしく宿泊できなかった。いくつかのペンションに電話をかけてみたのだがつながらず、何件かかけてやっとつながった「ミルフィーユ」というペンションに宿泊することにした。


うっそうとした中にペンションが。オシャレ。

デッキも素敵だ。

 到着したのは時間的には子どもたちはもうペンションに入ってる頃だろうと思いつつ荷物の片付けをしていたら、後ろの茂みから子どもたちの集団が現れた。どこから現れるんだおまえたちは。引率していた先生もいたのだが、僕の顔を見たら半口を開けて驚き半分、あきれ半分の顔をしていた。ま、そらそうだろう。東京を退職して札幌に行った人間が、なぜか林間学校のその場所にいるんだから。夜になるとキャンプファイアーがあるので、子どもたちに場所と時間を聞いて確かめておく。ご飯を食べた後はキャンプファイヤーの様子を見に行こう。
 ところでペンションには地元テレビの取材が入っていた。お姉さんレポーターが体験を交えながら宿泊者にインタビューなどをしていくのだ。他に三人連れのお客さんがいたのだが、僕だけ一人離れて食事をしているのもテレビ的にイマイチだと言うことで、四人で一緒に食事してもらっていいかと聞いてきた。こちらはユースでそういうのには慣れているのでいっこうにかまわない。むしろそういうのが好きだ(^_^)。カメラが回っている中、多少緊張しつつ他のお客さんと話をしながら楽しい時間を過ごす事ができた。


テレビの取材。人のカメラが動いていると自分のカメラが出しにくい(^_^;)。

ご飯は最高においしかった。エビのパイ包みって。いやもうたまらなくいいですよ。

肉ううううう。

デザート。たまりませんなあ。

 一緒に食事をした三人連れはランニングサークルの人たちで、毎年高地トレーニングで走りに来るらしい。今年結婚される二人がいるということで、テレビ的にもおいしい感じで取材が行われていた。夜になり、食事も終わったころでキャンプファイヤーを見に行った。暗がりの中、学校の集団に近寄り、一応校長の所に行ってあいさつしてくる。僕と入れ替わりで入った新しい校長先生なので面識はないのだが、笑顔で一緒に過ごすのを許していただいた。よかった、いい人で。子どもたちは「うわあ、マッスーだ」と定番のリアクション。いいねえ。


雨の影響か、なかなか火がつかなかった。

夜と火はいいねえ。

あちこち飛ぶ火の粉に子どもたちがキャアキャア言っていた。

 いくつかゲームを行い、最後にはフォークダンス。僕も一緒に入って踊ってきた。偶然おとてつ君が隣にいて、手をつないで踊ったら超テンション上がっていた(^_^)。短い時間だけど、こうして一緒に過ごす事ができて幸せだ。ホント、いい子たちと出会えたと思う。ツイッターキャンプファイヤー実況をしていたら何人かは注目していてくれた様子。前代未聞の林間学校実況。しかも部外者(^_^;)。すみません、自分でも変だと言うことは分かって行動しているつもりです(^_^;;;;)。
 こうして夜は更けていく。楽しい時間はすぐに終わり、また明日に向けて英気を養うのだ。部屋に戻り、テレビをつけたら新潟の豪雨災害のニュースが流れていた。初日に新潟であった雨はやむことなく続き、甚大な被害をもたらしていたようだ。あのとき新潟に泊まっていたりしたら、僕また被害に遭っていたかもしれない。こういうのは本当にタイミングというか、紙一重なんだなあと思った。六日町の南雲さんのお店もぎりぎりまで水が来たというし、本当に大変な災害だったということだ。