佐渡・能登・黒部の旅 その3(佐渡〜善光寺編)

8/3 佐渡から善光寺
 昨日は早く寝たせいか、朝は早起き。起きたはいいが体はぐったり。やはり昨日は頑張って観光地巡りをしすぎたか。かつてのようにガンガンに動き回っても大丈夫ではなくなってきたことを感じる。歳か、俺も歳ということか。自分で自分を抑えるということも大事になってくる歳なのだと思ったり思わなかったり。
 今日も雲一つないいい天気だ。また焼けるなあ。もう右腕は真っ黒に焼けている。顔を洗おうと洗面台の前に立ったら、帽子のつばの線に沿って顔を二分して焼けてる部分と焼けてない部分に別れていた。旅してるとこういう恥ずかしい焼け方するんだよなあ…
 朝食を食べ、荷物をまとめると早速出発。今日は10:30の船で小木から直江津に船で渡るのだ。ユースのお母ちゃんに見送られて種発する。いいユースだった。プライベートビーチ付きだから、次回くる時は水着も持ってこないとなあ。また来たいと思わせる素敵なユースホステルだった。

宿を少し降りたところにあるプライベートビーチ
 小木へと向かう道のりも順調。海岸線を気持ち良く走り、途中で夫婦岩なんぞも見つつ南下していく。途中、立ち寄るにちょうどいいところにある蓮華峰寺に寄る。蓮華峰寺は室町時代、京都の鬼門にあたる佐渡に護りの護法寺をおくために、弘法大師が開いたそうな。確かに鬼門だけど…室町だぞ。京都と佐渡でどんだけ距離が離れているんだ。室町時代ダイナミックすぎる。

夫婦岩。通りすがりに撮る程度の観光地。以下の写真は蓮華峰寺







蓮華峰寺。結構広い。
 佐渡は離島とは思えぬほど古代・中世における文化水準が高い。貴人の流刑地として古くからあったから、都からの文化が直接流入したのだろう。能舞台で演じられる能もいつか佐渡で見てみたい。祭りの時の佐渡はいったいどんな感じになるのだろう。流刑地といえば隠岐もそうだ。いつか行ってみたいものだ。
 小木港についたのが9:30ごろ。本当は宿根木まで行こうかと思っていたのだけど、ちょっと時間が足りない。港からすぐ近くにあるたらい船にのることにした。たらい船は文字通り巨大なたらいの船。ゆらゆら揺れつつそれでも前に進むのは実に謎。おもったよりもずっと安定性が高く、ライフジャケットとかつけてないけど不安な感じは一切なかった。ゆらゆら揺れつつ、港を一回りして終了。10分ほどの短時間で、450円という安価で十分楽しめる、出港前にはちょうどいい娯楽だった。


客にもこがせてくれるけど、全く進まない。難しい。

そこら辺にたらい舟がたくさん浮いている。

 ついでに土産物屋で職場への土産物を物色。旅をしたら土産という慣習をやれやれと思いつつ、それでお嫌いになれない。何にしようか見ていたら「佐渡島に行きました」というド直球なタイトルのクッキーを発見。値段も手頃。なんか面白いし、これでいいや。自分用に干し柿も購入。多分これが今日の昼飯になるだろう。佐渡は柿の名産地でもあるらしい。初めて知ったけど。おけさ柿というらしい。


 そんなこんなしつつ、船に乗船。直江津まで2時間40分の旅は旅日記を書いて過ごした。iPadとキーボードを持って来ているので、メモを作るのは楽だ。PocketWi-Fiも持って来たので、電波の通じるところでアップすればいい。いつも旅日記を途中で挫折してしまうから、今回は旅しながら書いてしまうという算段だ。残念ながら佐渡ではイー・モバイルは圏外だったが(^_^;)

 直江津からは湯田中渋温泉へとむかう。目的地はそのさらに奥の地獄谷温泉だ。地獄谷温泉には野猿公苑というところがあって、いわゆる温泉にはいる猿が見られるところだ。温泉宿もあるので、ついでに自分も入ってしまおうという算段だ。

渋温泉郷。
 高速をブッ飛ばして長野に入り、湯田中温泉郷へと入る。地獄谷温泉へと向かって、湯田中温泉から渋温泉を通り、奥へ奥へいくとどんどん人里から離れた奥地へと向かっていく。途中からだんだん雰囲気がおかしくなってくる。これは明らかに山の中であって、温泉街じゃない(^_^;)。
 道もすれ違うのが困難なほど狭くなって、行き着いた先には駐車場が。温泉案内所ってかいてあるけど、明らかにこの先には一件しかないから案内もへったくれもないだろう。


もっそい山道を歩きます。
 駐車料金500円を払って、さらに奥へと進む。山肌の狭い道を通り、さらに奥地へといくとやっと地獄谷温泉後楽園が見えた。日帰り入浴は15:00までだというから、30分前でギリギリ間に合った感じだ。フロントに人がいないので大声で「誰かいますか!」と叫んだのだが誰も出ない。しょうがないから勝手に入って風呂にはいることにした(^_^;)。
 奥に入っていくと脱衣所を発見。よかった、わかりやすい場所にあって。汗で水浸しになった服を脱ぐ。温泉に入ったあともこの服を着るんだよなあと、ちょっとげんなり。気を取り直して浴槽にむかった。何気なく足をいれて飛び上がる。ちょっとまて、これシャレじゃないくらい熱いぞ!

 とても入れるような温度でないお湯に、気持ちが萎えてもう出ようかと思ったが、横を見ると扉がある。これは…開けると…ビンゴ!露天風呂ではないですか。歩を進めると三和土になにか黒いものがある。…糞ですな…シチュエーション的にこれは猿糞でしょう。ナチュラルに猿糞のある露天風呂…いや、ここがものすごいナチュラルな立地だからわかるけどさ。

写真を見ると雨のようなものが見えるのは間欠泉からのしぶき。

露天の真横に間欠泉
 露天の湯は実に適温。ちょっとぬるいの好きな僕向けなちょうどいい長湯適な露天だった。浴槽から見える大自然も最高。噴泉が目の前にあり、最高のシチュエーション。で、お湯に浸かりながら皮の対岸を見ると…あれ、見上げる位置にある建物に人がいるぞ。あれが野猿公苑か。
  ええ、野猿公苑から後楽園の露天風呂は丸見えでした。視線を感じたので手を降ったら、上にいる人が手を振り替えしてくれるし。…見えてんじゃん!やれやれと思いつつ入浴をやめない自分。ふと目の端になにか動くものが。宿の人がいたのかな?と思いつつじっとそっちを見ていたら、のそりと猿が出現。ちょ、猿…こっちは裸、ドキドキしながら見ていました。でも猿は慣れた様子でこちらをチラリと一瞥するとほんの1mほどの場所を通り、悠々と野猿公苑のほうへと歩いて行った。
  20分ほど入浴し、あがってみてもう一度フロントへ。大きな声で「誰かいませんか」と叫んだら奥からのそりと宿の人が出て来た。さっきは荷物を取りにいっていたらしい。タダ入りじゃなくてよかった。

野猿公苑に登る途中から見た温泉。丸見えにも程がある。
 そこからさっき見た山路をさらに上にあがると、すぐ野猿公苑があった。夏だけど温泉に入っているのかどうか、ちょっとドキドキしながら見に行く。途中、猿がものすごいたくさんいた。というか手をのばせば届くところにものすごい数の猿がいるし!

 ちょっと緊張しつつ、歩いていくと温泉の浴槽のようなものが見えた。あれが猿の温泉地だ。近づいて見ると…いる!猿が温泉に入っている。実際に見てみると、すごくユーモラス。なんだかおっさんが温泉に入っているかのような佇まいだった。


 温泉から出ると、浸かっていた部分の毛がぺったりと張り付いて痩せこけた猿になってるし。見てるとお湯の中に潜って遊んでるのもいるし。なんじゃこれ。実に愉快。
 そこらじゅうにいる猿もかわいらしいこと。赤ちゃん猿もたくさんいて、じゃれあっている様子は超めんこい。やはり人間も動物も赤ちゃんは卑怯なくらいかわいいのだ。




 30分ほど野猿公苑で過ごし、再び山を抜けて渋温泉へとむかう。宿泊はしないものの、ここにある「金具屋」という老舗旅館を一目見てみたいのだ。昭和初期に立てられた建物は文化財クラスのものだ。通りがかりにチラリと見えるだけでもすごい雰囲気。いつかここに泊まりに来たいなあ。

 金具屋の目の前にあるのは「大湯」と呼ばれる立ち寄り湯。渋温泉にある立ち寄り湯は地元民と泊まり客しか使えないのだが、大湯だけは立ち寄り湯が可能だ。観光案内所で入浴券を買い、目の前の土産物屋のおじちゃんに鍵を開けてもらって入る仕組みになっている。

 入ると脱衣所と浴槽という、超シンプルな構成。そしてこれまた熱い。ちょっと水でうめて必死に我慢して入る。出ては汗をかき、また入っては汗をかくという温泉地獄(^_^;)。ここでも20分ほど入って出てきた。

温泉地を浴衣で歩くカップル。リア充爆発しろ……じゃなかった。ほほえましい光景。

これから善光寺へ……
 今日のメニューはこれでおしまいだ。あとは宿泊地である善光寺へと向かう。1時間ほど車を走らせると、無事善光寺へとついた。途中ちょっと渋滞したが、佐渡の車のない世界からこっちにくると、ちょっとギャップに驚く。善光寺にあるユースは教授院というところ。築100年以上という古い建物は雰囲気十分。しかも善光寺まで歩いて30秒というすごい立地条件。ユースが大丈夫な人ならオススメです。素泊り一泊4000円也。今日は宿泊者が俺一人なので、32畳におよぶ大広間を俺一人が占拠。広すぎて怖い(^_^;)。街に出て蕎麦食って酒のんでユースに戻って…昨日買った真野鶴飲んでたら眠くなって来たぞ…明日は戸隠によって能登へ移動だ…


善光寺ユース。場所がわからなくておばちゃんに出てきてもらった。

蕎麦屋を紹介してもらって食べる。
夜の善光寺も風情があっていい。ユースから歩いて30秒なのですぐ行ける。




お守りって自販機で売るものなのか。

怖い。

飲み屋に行って酒を呑む。オリンピックでバレーボールをやっていた。

 今日の走行距離はだいたい170kmくらい。高速道路使ったから移動距離ほどには疲れていないけど。高速でアクセル踏むと、当然ながらガソリン消費も早い。3000〜4000回転くらいが経済速度なのでリッター20くらいは走るけど、高速で5000回転まで回すとみるみるうちにガソリンが減ってく。ブースト計見て圧をかけないように走ろう。

合わせて30畳ほどもある大広間に俺一人。寂しい。