能登・佐渡・黒部の旅 その4(善光寺〜戸隠神社〜能登編)

8/4 善光寺戸隠神社能登半島
朝起きる。32畳におよぶ広大な部屋だ。夜になって気温が落ちて、風通しもよかったせいか気持ち良く寝ることができた。真野鶴を飲んで寝たのだが、酒も残っている感じもないしスッキリだ。時計をみると5時だった。朝の善光寺を回るにはちょうどよかろう。荷物の片付けをして、すぐ出発できるようにして善光寺へと向かった。


善光寺ユースは3階建て。写真は3F大広間。2Fよりもっと広い。

3階窓から善光寺が見える。近い(^_^)。


教授院からは善光寺は歩いて30秒だ。猛烈に近いのがよいところ。そして善光寺の朝は早い。ガイドブックとか見ると、日の出から活動が始まっているそうな。朝のうちは人も少ないし、内陣にはいれば読経も聞けるし、良いことづくめだ。6時すぎに善光寺の中に入り、内陣で読経をしている後ろにつく。


内陣のさらに内側、御本尊の目の前の内々陣ではたくさんのお坊さんが読経をしている。そして木魚がまた巨大。大人が抱えるほど巨大な木魚をドコドコと叩く様はさしものドラマーだ。徐々に早くなるベース音をバックにお坊さんたちがコーラスのように読経を重ねていく。
木魚の音が心臓の音と重なり、徐々に早くなるリズムにのせてこちらも心拍数が上がるような錯覚に襲われる。繰り返される「なーむあーみだぶなーむあーみだぶ」で徐々にトランス状態にはいるかのような心地よさ。古代の民衆にとっては、これはある種のロックミュージックや野外フェスのような、集団で行う快感を伴った娯楽だったんじゃないだろうか…なんて思ってしまう。
読経が終わると焼香をして、お戒壇巡りへと向かう。お戒壇巡りとは 内々陣の下の地下に入り、真っ暗な中を歩きながら手探りで鍵を探すというものだ。御本尊の下にある錠前を握ることで、御本尊との結縁を果たして極楽にいけるようになるというありがたいアトラクションだ。僕もしっかり鍵に触れて来たから、極楽浄土への道が開かれている。やったね。アイ・アム・イン極楽浄土!



本堂の中の参詣が終わったら周りのお堂を見て回る。オススメなのが山門の中の参拝だ。中には四天王と弥勒菩薩が祀られていて、さらに山門の上からの景色が素晴らしく良く見える。高いところに登って街を一望しつつ、そばに菩薩様がいてくださるというのはなんともいえず穏やかな気持ちになれる。本当は9時からの参拝ということだったのだが、係員さんが「いいよ」と言ってくださったので中にはいることができた。ありがとうございます。聞くと地元の人も何かあった時にここへ来て心を落ち着けるひともいるそうな。わかるような気がする。



「年間パスがほしいですね」と冗談めかして言ったら、実際にそういうものがあるそうな。善光寺講に入ると、年間でずっと入れるということも教えてもらった。古代の人も年間パスを作っていたんだね。


朝早くから空いている喫茶店を見つけ、そこで軽くモーニングを食べた後、教授院を出発。善光寺は良いところでした。牛にひかれてならぬ、セブンにひかれて善光寺まいり、でした。




善光寺、いいところでした。

戸隠バードラインをひた走る。気持ちのよい道。
車を走らせ、次にむかうは戸隠神社。戸隠に向かう途中の戸隠にバードラインもまた気持ちのいい道だ。そしてなにより戸隠神社は神社好きにとっては外すことのできない重要スポットだ。五つある社殿を制覇したいところだが、結構距離があるので大変そうだ。まずは真ん中にある中社に車を止める。中社と奥社は車の止めるスペースにも余裕があるが、奥社は参詣する人も非常に人が多いので、本当だったらまずは奥社に止めて奥院から行くのが正解だった。





とまあそんなことも知らずにまず中社に行き、そこから下に降りるようにして火之御子社に向かう。そこからさらに歩くこと10分ほど、一番下にある宝光社へと参詣した。宝光社の石段は200段以上!そしてその脇にそびえ立つ杉の木の見事なこと!こうした古刹の参道には間違いなく巨大な木々がそびえ立っている。長くそびえる木はそれ自体が神だ。木々の命にはただただ畏怖するのみ。








これで三社の参詣を終え、中社へと戻る。登り坂だからもうヒーヒーいいながら上がっていくが、森の中を歩いている時は存外に涼しいので気持ちがよかった。中社にたどり着いた時には11時ごろ。その辺の蕎麦屋に入って本番戸隠そばを食べる。これ以上ないというくらい本場の戸隠そばだ。どう違うの?と聞かれるとよくわからないが(^_^;)。



そこから奥院に行くためにセブンを走らせ、奥院前の駐車場に向かう。たどり着いたのが12時前だったのだが、ものすごい数の車の数、そして人の数。東京の繁華街かというくらい車も人もたくさんいた。なかなか車が止められなかったところになんとか駐車し、奥の院へと向かう。参道もこれでもかというくらい人だらけだった。40分くらい歩いただろうか、途中の杉並木に圧倒されつつ、無事に奥社にたどり着く。隣接して九頭竜社もあるので、これで五社制覇だ。


さあ降りようかと思った時、九頭竜社を参詣する集団が拍手を4回叩いた。むむ、これは出雲での参詣のしかたか?しかも10人くらいの集団が、手を叩きながら老若男女が全員見事に祝詞を唱えながらリズミカルに拍手をしてお参りをしている。
出雲ではお参りの時に拍手の数が4回だったし、お参りしているおばちゃんが見事な祝詞を唱えていたのも印象的だった。もしかしたら出雲の人たちなのかもしれない、と思った(ひふみよいむなやことをもちろらね…と同じ祝詞をとなえていたし)。

その人たちのお参りが終わまで見せてもらい、いざ下山。次の行き先も遠いのだ。杉並木にを通り抜け、駐車場までたどり着いて蕎麦ソフトで一服。ソフトクリームがある種の熱中症対策に役立っている気がするのは俺だけ?iPhoneのカーナビで能登漁火YHを調べたら善光寺から350kmと出てきた。え、そんなに遠かったっけ?到着予定時刻も夜7時とかになってるし。今まだ午後1時なのに…
しかし、行くと決めたからには行く。ただひたすら走る。戸隠バードラインを走っているあたりは気持ちよかったのだが、高速道路になるとその様相は一変し、灼熱地獄に変わった。走っている最中、電光掲示板に出てくる路面温度は36度。直射日光こそビキニトップでしのぐが、間近の路面が36度なわけですよ。暑さに朦朧としつつ、休憩をいれつつやっとこさ能登にたどり着く。能登道を走っている時にちょっと涼しくなったかなとおもったら33度。うん、まあちょっと涼しくなったね…。


能登道をおりてしばらく走り、やっとの思いで能登漁火YHに到着。途中iPhoneのカーナビが嘘ついて迷ったりしたけれど、その辺のおばちゃんに聞いて教えてもらった。

能登漁火YHはほっそい道をぬうようにして進んだ道の先、もう道がないというところまで行って、やっとたどり着いた先にある。宿の旦那が漁師で、目の前にある漁船は旦那のものらしい。そのおかげか夕食に出た魚は美味かった。
今日は初めて旅に同室の人がいて、やっとユースの旅らしくなって来た。なんとみんな60歳以上。最年長は73歳だった。中にはカメラマンの人がいて、高校のウエイトリフティングの全国大会があるから写真を撮りに来たんだって。73歳の人はこれが4周目の日本一周の旅だそうな。家族が許してくれないから、旅に出てから「二週間ぐらい帰らないよ」って電話するって言ってた。おじいちゃんなのにバイタリティありすぎ。
能登漁火YHにはランドリーがあるので、溜まって来た洗濯物をやっつける。旅日記を書きながら、ゴウンゴウンと乾燥機がなる音を聞き、ビールをすする…明日は能登一周しつつ、観光だな。だんだん眠くなってきた…