能登・佐渡・黒部の旅 その6(能登〜黒部ダム〜立山編)
8/6 黒部ダムへ
前日、黒部への移動ルートを調べるために能登漁火YHから立山駅までをカーナビで検索してみると250kmとか出てきた。…ちょっと遠かったかな、と少し後悔。奥能登の距離感を舐めてました。しかし能登道があるので速く移動できるのは助かる。高速を使って216kmなのと、高速を使わないで168kmなのとを比べて、高速の方が速く行くだろうと踏んで高速ルートを選択することにした。漁火ユースで能登道を通るのに使えるプリペイドカードをもらったので、それを使えばちょっとお得だ。
朝は5時起きで出発準備。立山では車を置いていかなくてはいけないので、予備のザックに2日分の服やカメラ、充電器などの用意をひとまとめにして、それひとつを持って行けば事足りるようにしておかなくてはいけない。
支度も終えて6時前に出発をする。目の前の防波堤には釣り好きのおじさんが見送りに待っていてくれていた。互いに手をふりふり、別れを惜しんで最初の角を曲がる。ちょっと今日は移動距離が長いぞと覚悟をして走り始める。
能登の道は海沿いも山あいも面白い道が多い。山の方ならアップダウンをしつつ繰り返す高速コーナーが断続的に繰り返され、港の方に行けば海を見ながらのワインディングになる。実にどこを通っても楽しい道ばかりで面白かった。
高速道路に入ってからはひたすら走る。給油をしつつ、途中で金沢から北陸道へと乗り換える。北陸道からPAで降りるスマートETCとかいう仕組みを使って高速からおりてみた。
カーナビの機能を使って場所をツイートできる。
ここからはひたすら黒部に向かって走る。奥へと入るにつれて、どんどん気温が下がっていくのがわかる。高速を降りてからはそんなに走らないでもほどなくして立山の駅につく。しかし困るのは駐車場だ。駅前に大きな無料駐車場があるのだけど、すでにいっぱいで入る余地などはない。とりあえず入れてぐるりと回ってみると、止められそうなところは斜面の通路だけだった。斜面に止めてみてサイドを引いてはみたけれど、セブンのサイドブレーキなど信用がおけるものではない。ちょっと押しただけで5cmくらいずれるのだ。やはりここには止めておけないと帰る人がいないか見渡しながら探していたら、一台出ていく人がいたのでそこに慌てて車を回して止めることができた。2日間車を離れなければならないので装備を入念に確認し、しっかりカバーをかけておいた。
ここからは黒部の交通を利用して上までいかなくてはいけない。ケーブルカー、トロリーバス、ロープウェーと珍しい交通手段が目白押しだ。トロリーバスとなんて、教習所の教則本でしかみたことがないぞ。およそ1時間半かけて黒部ダムへとたどり着く。
最初のケーブルカー。重装の人から軽装の人までさまざま。
ものすごい急斜面。
バスに乗り換えて更に奥へ。
トロリーバス。架線から電気をとって走るバスだ。
駅に何気なく雪渓があるのがビビる。
雲に霞む景色。
ロープウェーの先もなんとも雄大。
高いなあ。
更にケーブルカー。
黒部についてみると、さっきまで白く煙っていたガスはどこへやら、綺麗な青空が広がっていた。ダムを徒歩で渡り、展望台の方へと向かっていく。途中、足元からドドドドドドと響く音がするので覗いてみたら、ダム堰堤の中央から派手に観光放水が行われていた。その放水量たるやものすごい迫力!ひたすら夢中になって写真を撮りまくった。観光用の展望台も完備されているので、あちこちからダムを見ることができるのもいい。ちょうどテレビの取材が行われていて、川合俊一が歩いているのを見かけた。さすがバレー選手、とても背が高くて驚いた。
ゲートの向こうは黒部ダム。
観光放水をやっていた。すごい音。
やっぱり覗くよね。
コンクリ建造物の威容。
工事のための用具もいちいち巨大。
湧き水が美味い。
写真屋さんに撮ってもらった。
見ろ!人がゴミのようだ!
見ろ!人が(以下略)
最上段の展望台から。
真ん中の赤シャツが川合俊一。
帰り際、ダム湖の中を走る観光遊覧船があるのを見つけて乗ることにした。往復で30分というが、ダム湖を走るのに30分かかるというのもすごいなあと思う。どうもこの船には写真好きが集まっていたようで、デッキにはカメラを抱えた男女がそこかしこで撮りまくっている。遊覧船に乗る前はちょっと雨が降り始めていたのだけど、乗ったらまた晴れてきた。今年の旅はついている。
船を降りて、そばにあったつり橋を渡ったところで写真をとっていたら、船に一緒に乗っていた女の子が歩いてきた。キャノンのS90を使っていて、構図なども考えながらとっているのがわかったので、この人にならお願いしてもいいかな、と「僕のカメラでとってもらっていいですか」とお願いしたら快くオッケーしてくれた。ところが”I`m no Japanese OK?"との返事が…Oh、日本人じゃなかったのね…。
歩きながら話していたら意気投合、というかこの子すごく社交的。そいで泊まるとこところの話になってみたら、同じ宿に泊まることが判明して、じゃあ一緒に行こうかという話になった。
泊まる宿は立山の上にあるみくりが池温泉だ。ダムからバスターミナルのある室堂に戻ってから歩くこと10分程度、みくりが池のそばに宿はある。ユースみたいに相部屋になっていて(個室もあるけど)、何人かで一緒に泊まるユースのような構造になっている。食事まで時間があったので宿の前のテラスで生ビールを飲みながら夕陽を眺めた。香港人のアリスも食事を終えて一緒に夕陽を見に出てきた。それにしてもアリス、たくさん写真を撮る。同じようなカットでもちょっとずつ構図を変えてとっていた。
俺も3カットぐらいポーズを変えて撮らされた(^_^)
ロープウェーの駅で撮った写真。ひたすら高い場所にある。
立山についてみると、高山植物がきれいに咲いていた。
愉快なアリス。
はわわ……美しい。
みくりが池温泉。寝るところは共同でも、十分きれいな施設。
「地獄」という名の所。硫黄が出すぎて立入禁止になったらしい。
宿泊スペース。1部屋に4人入るが、6人部屋もある。
ここから夕日シリーズ。今まで見た中で最も美しい夕日であった。
夕日に照らされて焔のように伸びる雲
夕陽が落ち切った頃、僕の夕食の時間がやってきたので食堂へと向かう。夕食はとても豪華で驚いた。定山渓の温泉とかよりもよっぽど美味しい食事だ。日本酒を注文して、ちびちびとやりながら…とおもったら食事を終えたはずのアリスがまたやってきて、まわりの夫婦も巻き込みながら話をはずませた。アリスのおかげでとっても楽しい時間になった。
風呂に入り、旅日記を書き始めたのだがどうにもこうにも眠い。移動距離も長かったし、歩いたので疲れたのだろう。キーボードを打ちながら何度もうたた寝してしまった。ふと目を覚ますと「っっっっっ」とか画面いっぱいに出ていたり、デリートキーに指を置いたままにして書いた部分を消してしまったり…やめたやめた、もうかけない!勝手に閉じようとする瞼を押さえながらなんとか布団に潜り込むとあっというまに眠ってしまった。